人文学の危機をめぐって・再論②
2022/04/11
-研究
①の続きになる。 ここからさらに暗い話になる。①の最後で述べた事情ともかかわるところがあるのだが、国文学の世界そのものに、近年、閉塞感が顕著になりつつあるように思われる。 その一方、これはきちんとした ...
人文学の危機をめぐって・再論①
2022/04/11
-研究
三年ほど前(2019年4月27日)、東京大学の国語国文学会の、「稽古照今(けいこしょうこん、古(いにしへ)を稽(かむが)へて、今を照らす。『古事記』序文に見える言葉)」を総テーマとするシンポジウムで、 ...
宮澤賢治のこと②
2022/02/27
-研究
もう一度だけ、宮澤賢治について書く。 「グスコーブドリの伝記」も、賢治の作の中では、ずいぶんと評価が高い。グスコーブドリの自己犠牲の無私の精神が、深い感銘を与えるからだろう。 だが、ここでも臍曲(へそ ...
宮澤賢治のこと①
2022/02/25
-研究
以下は、「研究」に分類するが、まったくの個人的な私感に過ぎない。ただし、今後の宮澤賢治研究のヒントになるところもあるかと思い、あえて「研究」に分類しておく。 宮澤賢治との付き合いは長い。少年時代にも、 ...
古典の危機
2021/12/15
-研究
英語力の衰えをつよく感じるようになったので、数年前から、学習用の週刊英字新聞the Japan times Alphaを読んでいる。辞書には載っていない、最新の言い回しなどが出て来たりして、ずいぶんと ...
論文の査読
2021/12/03
-研究
長年、疑問に思って来たことを書いてみたい。論文の査読についてである。後半は、かなり過激な発言になるが、御容赦願いたい。 近年は、業績審査が細かくなり、学術雑誌に採用された査読論文が何本あるかが、重要な ...
型・形(かた)ということ
2021/11/21
-研究
大学に入学して、狂言研究会に入会した。大蔵流の山本東次郎師(当時は則寿(のりひさ)師)のもとに入門して、ずいぶんと稽古に通った。いまはすっかり縁遠くなってしまったが、二十年以上、毎週の稽古に通っていた ...
物語の読み方
2021/11/15
-研究
数日前、長島弘明氏から、『アナホリッシュ 國文學』第一〇号(響文社)を戴いた。上田秋成の特集号である。 巻頭に、長島氏と高田衛氏の対談が載っている。これが実に刺激的な内容で、秋成研究の先達である高田氏 ...