「研究」 一覧

芭蕉の句 「は」か「も」か

2025/02/07   -研究

先日、大学院の教え子だったNさんと話していて、話題がなぜか芭蕉に転じた。そこで、私が、芭蕉にはこんな雄渾、雄勁な句があるよといって、以下の句を示した。 吹きとばす石も浅間の野分哉 以前のブログ「丹山大 ...

かねやすまでは江戸のうち

2024/12/02   -研究

先日(11月30日)、山本東次郎師の講演「蝶と狂言」を聴くために、久しぶりに東大に出掛けた。菱川法之博士の蝶のコレクションが、東大の総合研究博物館に寄贈されており、その公開にあわせて、蝶の愛好家である ...

国語教育の行方

2024/10/07   -研究

いま、日本文学協会(日文協)という学会の委員長を勤めている。三年勤めるのが習わしなのだが、健康問題もあり、二年勤めたところで、退任しようと思っている。本年(2024年)11月末で年度替わりになるから、 ...

『古事記私解Ⅰ』・訂正(続)

2024/10/03   -研究

しばらく前のブログ「われ讃(ぼ)め」で、オンラインによる画像配信の講座を担当したことについて記した。JPカルチャー・オンライン講座である。 この時は『万葉集』を取り上げたのだが、今度は新たに『古事記』 ...

研究者は犯罪予備軍なのか

2024/08/25   -研究

何とも物騒な標題だが、その意味は、最後までお読みいただければ、お分かりいただけると思う。 いま日本文学協会(日文協)という学会の委員長を勤めている。先日、ある地方の私立大学の法人組織の監査室から、委員 ...

論文の査読・続

2024/06/07   -研究

ずいぶん以前に、「論文の査読」と題して、論文の査読の根底にあると思われる問題について記した。そこで書き足りなかったことを、以下に述べてみたい。 私もこれまで少なからぬ数の論文の査読をしてきた。そのほと ...

「指導放置」ということ

2024/05/16   -研究

一昨日(14日)の「朝日新聞」朝刊「科学・環境」の記事を読んで、驚いた。「「だめ」「だめ」「だめ」進まぬ研究 心折れ」と題する記事で、副題に「「指導放置」報道に反響(上)」とあるから、なお連載が予定さ ...

中野三敏さんの警告

2024/04/16   -研究

先日の「朝日新聞」(4月8日付朝刊)の一面に「国立大学法人化20年 本社調査」と題する記事が載っていた。その見出しには「学長7割「悪い方向進んだ」」「運営費交付金減り、雇用・研究危惧」とあり、さらに二 ...

上代文学史稿(三)

2024/04/15   -研究

3 漢詩文の世界 ●古代国家と漢文 古代の日本人が独自の文字を発明することができず、表記の手段として外国語である中国語の文字(漢字)に頼らなければならなかったことは、高度な中国文化の圧倒的な影響下に置 ...

上代文学史稿(二)

2024/04/14   -研究

2 古代和歌の生成 ●歌謡から和歌へ 古代の歌謡は、口誦の世界を背景として成立した。しかし、律令国家が誕生し、官僚組織が整備され、都市生活が営まれるようになると、集団性から切り離された個的なものへの自 ...

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