コロナ禍の中、いろいろ思うこともあるので、ブログを始めることにした。時折、政治的な発言も混じるが、その発言のすべてにわたり、私個人が責任を負うものであることを明言しておく。私のように大学闘争を身近に経験した世代の人間は、自分自身の言動の責任を常に自覚している。それはここでも同じである。異論、反論があれば、いつでも議論に応ずるが、匿名は絶対に認めない。最近は、匿名に隠れた愚劣な主張の横行が甚だしいが、発言には責任が必ず伴うものであることをあらためて述べておきたい。もっとも、「非学者論に負けず」という言葉もあり、「非学者」の異論、反論には応ずるつもりはない。ある人が、私の物言いを「上から目線」と評したが、「上から目線」と捉えていただいて、大いに結構である。『大鏡』に、「おぼしきこと言はぬは、げにぞ腹ふくるる心地しける」とある。それゆえ、腹のふくれないよう、ここでも思うことをすっかり述べてしまいたい。
多田一臣 TADA Kazuomi
昭和24年生まれ 東京大学名誉教授 日本古代文学・日本古代文化論専攻