雑感

死の淵に臨んで

投稿日:2023年10月28日 更新日:

10月13日(金)、極めて重度の肺炎で、救急車で緊急搬送された。血中酸素濃度が50%を切っていたというから、もうそのまま死んでいてもおかしくない。ただし、ずっと意識ははっきりしていて、救急隊員、また搬送先のICUの医師たちとの、やりとりもそのまま記憶している。何より、搬送直前、うどんを慌てて食べ、またここまでに至る事情を記したプリントを印字したりしているのだから、我ながらどうなっていたのだろうと思う。ひょっとすると、うどんが命を助けてくれたか? ICUは出たが、まだ頭と身体の感覚は、現実との間に、大きな距離があるように感じる。要はヘロヘロ状態である。

ここで思い返してみる。倒れる前日の12日(木)、ヨロヨロしながら武蔵小杉の「かわさき市民アカデミー」に出講している。武蔵小杉駅から15分の道筋を、30分かかってフラフラとたどり着き、そこで2時間講義したのだから驚く。受講者の方々には、おそらく私の異常は感じ取られなかったはずである。終了後、再度フラフラと武蔵小杉駅まで歩き、混雑する南武線に座れぬまま乗り、登戸経由で帰ってきた。翌日13日(金)、やはりふらつきつつ、大崎の睡眠外来に出向いた。診立ては変わらず、自律神経の失調で処理された。家にやっと戻ると、もういけない。それでそのまま救急車の要請ということになった。

先にも記したように、感覚そのものが外界と遊離した状態が残り続けている。血圧も異常に低く、閃輝暗点様の症状もしばしば起きる。低血圧による脳の血流異常か?

もう一つ書いておきたいことがある。ICUに搬送された直後、ずっと幻影を見続けていたことである。目を開いていても閉じていても、その幻影が見える。端的に言えば、暗い死の影(像)である。ただし、不思議なのは、それらがすべて西洋のリアルな死者の像であることで、これはいったい何故なのか。どうして日本のものではないのか。いずれにしても、非常にリアルな死者の像が次々と現れる。一方で意識ははっきりとしているから、この現象をどう理解したらよいのか、実に不思議である。もっともそれは二日ほどで消えた。

いま、ICUからは離脱したが、繰り返すようにヘロヘロ状態は続いている。肺の状態は良くなったようだが、いつになったら元に戻れるのか。このヘロヘロ状態(外界との遊離感)は、足などの筋力の衰えとは別個の問題のように思える。さて、どうなるのだろう。

肺炎の要因は複合しているようだ。ツムラの漢方薬がどうも怪しい。重大な副作用(間質性肺炎のような)がある事が知られているからである。ただし、明確な証明は出来ないというから、これ以上は追及できない。(口述筆記)

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