あんこが好きである。ただし、私がよしとするのは漉しあんだけである。粒あんはいやである。
それゆえ、豆大福も漉しあんしか認めない。東京三大豆大福というのがあると聞いて、ネットで検索してみた。群林堂(護国寺)、瑞穂(明治神宮前)、松島屋(泉岳寺)の豆大福なのだとか。ところが、この中で、漉しあんは瑞穂だけ。群林堂も松島屋も粒あんである。三大豆大福を選んだ人は、あんはどちらでもいいということらしい。漉しあんと粒あんを同列に並べるなど、味覚のセンスが欠けているとしか思えない。
松島屋のは食べたことがないが、群林堂はずいぶん以前に並んで買ったことがある。ひどいものだと思った。豆餅はまだ許せるが、豆大福は実にまずい。
粒あん嫌いの中には、さらに徹底した人もいる。特に名を秘す某大先生は、粒あんの大福をもらうと、そのままゴミ箱に放り込むという。私の場合は、さすがに捨てたりはしないから、そこが学者として駄目なところなのかもしれない。
私なら、群林堂、松島屋の代わりに、岡埜栄泉(虎の門)を入れる。瑞穂は、岡埜栄泉からの暖簾分けの店らしい。瑞穂の方が、サイズがやや大きい。
東京の豆大福は、この二店のみ。だが、この二店よりさらにすばらしい豆大福がある。京都の出町ふたばの豆餅である。これが、日本一。日本の三大豆大福は、出町ふたば、瑞穂、岡埜栄泉になる。