「夢日記」の題で、目覚めた後、リアルな像が消えずに残っている夢について、何度か記した。そのどこかに「年を取ると、眠りが浅くなる。すると、よく夢を見る。明け方近いことが多い」と述べたように、そのほとんどが明け方近くに見た夢である。若い時分にも夢は見ていたはずだが、目覚めた後も明瞭な記憶として残ることはほとんどなかったから、これは明らかに老いと関係する現象であるに違いない。
その夢について、書くのを忘れたことがある。そうした夢を見る際には、どうやら身体が過度な緊張状態にあるらしい。寝る姿勢も、仰向けではなく、必ず横向きになっている。しかも、そうした夢を見た後、重ねた足の、膝の出っ張りの互いに接触する箇所が、いつも赤くなっている。夢を見ているうちに、横向きのまま足をひどく突っ張り、重ねた膝のところを強い力でぎゅっと締め付けているのだろう。よほどの力が持続的に加わらないと、あれほど赤くなったりはしない。おそらく、その力が限界に達したところで、目が覚めるのだろう。眠りは浅いはずなのだが、何とも不思議である。
数日前、事情があって、枕を変えて寝たのだが、明け方になって左の肩と首を痛めていることに気づいた。四時前頃、一度小用を足すために起きたのだが、その折には何の異常もなかった。ところが六時過ぎに目覚めたら、左の肩と首とがひどく痛む。これは寝違えだとすぐに気づいた。やはり横向きで寝ており、異常な力が、足だけでなく肩や首にも加わったらしい。いつもの枕でなかったことが、さらに悪影響を及ぼしたのだろう。
二日立っても首が回らず、肩の痛みも消えないので、近所の整形外科に行き、X線検査をしてもらった。骨に格段の異常はないから、やはり寝違えだろうということになった。貼り薬の効能か、今日になって、痛みはかなり軽減したが、若い頃にはこんな寝違えを起こしたことはないから、これもまた老いのしわざに違いない。整形外科では、骨密度も調べられたが、その結果には驚いた。腰椎の場合、同年齢の平均骨密度の151%、若年成人の平均骨密度の138%に相当するという。「あなたの骨密度は、若年成人の平均骨密度と比べて同等以上といえます」という評価で、有り難いことに、骨だけは丈夫らしい。
それにしても、身体の過度の緊張が夢を見ることに結びついているのだとすると、そこで見た夢の記憶を「夢日記」に記して楽しんでもいられなくなる。困ったことである。