家にばかりいる毎日なので、出来るだけ散歩をするようにしている。前にもどこかに書いたように思うのだが、私は日本人としては歩行速度が早いらしく、スマホの記録を見ると、毎時6キロをいつも超えている。
歩いていると、他人とすれ違う。複数の男女だったりすることもある。すれ違う際、当然ながら、相手を見るのだが、その場合、ちらりとではあるが、いつも女の顔しか見ていない。男の顔はまず見ない。そこで思ったのは、これは私が男であるがゆえのまなざし、俗な言葉を用いるなら、一種の助兵衛的な視線なのではないかということで、標題を「男の目線」としたのは、それゆえでもある。
とはいえ、別な疑問も生じた。女が他人とすれ違う場合はどうなのか、という疑問である。女が複数の男女とすれ違う際、女は女の顔ではなく、まずは男の顔を見るのかどうか。「男の目線」に倣えば、「女の目線」があるのかどうか、ということでもある。
さらに疑問を広げるなら、子どもなら相手をどう見るのか。同性愛者ならどうなのか。疑問は尽きない。
もっとも、私がすれ違う際に、女の顔ばかりを見て、男の顔を見ようとしないのは、助兵衛的な意識からではなく、男との対立を避けようとする動物的な本能が作用しているのかもしれない。もしそうなら、これは原初からの、もう一つの「男の目線」であったことにもなる。こうなると、これはなかなか難しい問題になってくる。