雑感

認知機能検査

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運転免許の更新に際して、75歳以上の後期高齢者に認知機能検査を義務化したのは、2009年からのようである。

私の場合、2024年の2月に75歳になったのだが、その前年、2023年12月に、その検査を警視庁の滝野川庁舎で受けた。どんな検査なのかを事前に調べることもせず、何も準備せずに行ったのだが、それでも合格になった。その検査だが、まずは武器、動物、楽器、衣類等の16枚の絵柄を、添えられたヒントと共に記憶することが求められる。その後、配布された用紙に並ぶ数字の列の中から、検査員の指示する数字を選び、そこに斜線を引く作業をさせられる。その後で、先ほど記憶した絵柄が何であったのかを、配布された用紙に記す。まずは思い出すままを記し、その後先のヒントが与えられて、記すことになる。この他にも、現在の年月日や時間を、何も見ずに記すことが要求される。

2023年の検査では、絵柄の記憶では、ヒントをもらった後でも、最終的に3~4つほどが思い出せなかった。心配したのは、数字に斜線を引く作業で、これは時間内に最後までたどりつかなかったからである。その結果だが、私も含めて、検査を受けた十数人は、すべて合格だった。見たところ、老齢化がかなり進んでいて、検査員との応答もたどたどしい老人(耳が遠いとかではなく、やりとりが相当にちぐはぐで、認知機能に明らかに異常があると思われる老人)がいて、大丈夫かと思ったりもしたのだが、この人も合格していて、これはこれで驚いた。

その後、この検査について、いろいろなことがわかった。まず、合格率が97%を超えているらしいこと、また16枚の絵柄には4パターンあり(全部で64枚の絵柄)、すべて市販の検査対策用の書籍などにそのまま掲げられており、その4パターンのいずれかが、実際の検査の場で示されるのだということ、さらに数字に斜線を引く作業をさせるのは、それに集中させることで、絵柄の記憶がどれだけ定着できているかを確かめるためであり、作業そのものは、検査の合否判断にはまったく関与しないということ等々である。年月日を誤りなく記すだけでも、合格ラインの半分ほどの点数に達するというから、絵柄は5~6つ程度がきちんと思い出せれば、それで充分だということになる。ならば、合格率が97%を超えるというのも頷ける。

前回の免許更新から三年経ったので、昨日、同じ警視庁の滝野川庁舎で検査を受けて来た。今回は、事前に検査対策用のムック本を購入し、検査の前日、その16枚の絵柄4パターン64枚を、できるかぎり記憶した。
それで、検査を受けたのだが、前回は前に立った検査員が絵柄を表示し、ヒントを読み上げるスタイルで、その後、解答用紙に斜線を引いたり、記憶した絵柄を記したりしたのだが、今回は用意されたタブレット端末ですべてが行えるよう変更されていた。絵柄の表示も画面上だし、斜線を引いたり、記憶した絵柄を記すのもタッチペンで行う。ヒントの音声などは、ヘッドホンで聴く。

今回は要領がわかっていたので、すぐにムック本のDパターンだと知れた。その絵柄を記していたら、突然打ち切りになった。検査員に尋ねたところ、すでに合格点に達したからだという。ヒントをもらうことも、年月日等を記すこともなく、あっという間に終わってしまった。

これで、今回の認知機能検査は無事に済んだのだが、事前対策さえしておけば、誰もが合格できるような検査であり、合格率が97%を超えるというのも、宜なるかなと思ったような次第である。前回の検査で驚いたように、言葉のやりとりすら満足にできない老人であっても不合格にならないとするなら、この検査に一体どんな意味があるのだろう。そんなことをあらためて思った。

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