雑感

ラウラ・ウジョア

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昨夜(2月21日)、武蔵野市民文化会館で、ラウラ・ウジョア(Laura Ulloa)のソプラノ・リサイタルを聴いた。
初の来日公演だとのことで、まったく名前も知らない歌手だったが、チラシの宣伝文句に「マリエッラ・デヴィーアのただ一人の愛弟子」とあるのに引かれて、チケットを購入した。後で知ったが、キューバ出身の歌手で、イタリアを中心にヨーロッパで、広く活躍しているらしい。

歌われた曲目は、ロッシーニ、ドニゼッティ、プッチーニの歌劇のアリアが中心で、さらにサラスエラの曲目が何曲かあったのは、スペインの支配を長く受け続けたキューバ出身のゆえであろう。
プログラムの前半の締めくくりは、ドニゼッティの「ランメルモールのルチア」の「狂乱の場」のアリアで、これがなかなか見事な歌唱であった。ウジョアの先生、マリエッラ・デヴィーアがもっとも得意とした演目が、この「ルチア」だったから、その師の歌唱を受け継いでいるのかもしれない。
もっとも、私はデヴィーアのルチアは聴いていない。以前のブログ「歌手を殺す演出家」にも書いたことだが、1996年、フィレンツェ五月祭音楽祭の引っ越し公演(東京文化会館)があった際、この「ルチア」が上演されたのだが、その時は、ルチア役を、デヴィーアとエディタ・グルヴェロヴァが日替わりで演じ、私はグルヴェロヴァの方を聴いた。ただし、その時の、グルヴェロヴァのルチアは真の名演で、ブログにも書いたように、その時の「狂乱の場」の舞台は、いまなお忘れがたい印象として記憶に残っている。

そこで、昨夜の「狂乱の場」だが、これもなかなかの名唱だった。このリサイタルの直前に、武蔵野市民文化会館が提供したInstagramで、ウジョアと伴奏の三澤志保が、リサイタルの紹介をしているのだが、それによると、ウジョアは来日直前に「ルチア」を舞台で演じており、その際、改訂版の楽譜を使用したため、「狂乱の場」も調やカデンツァに違いがあり、今回のリサイタルもそれで歌うとあった。「狂乱の場」では、フルートとの掛け合いでなく、グラスハーモニカを用いるのが本来だというのは知っていたが、調やカデンツァの違いは知らなかった。このInstagramの存在は後で知ったので、だから、当日はどこが違っていたのか、まったく気づかずにいた。ただ、名唱であったことは間違いない。

ウジョアは、かなりの声量があり、大きなオペラ・ハウスでも、隅々までしっかり声が届くに違いない。コロラトゥーラの技巧も確かである。しかも相当な演技力の持主でもある。だから、実際のオペラの舞台で、その姿をぜひとも見たいものだと思った。
まだ第一級のオペラ・ハウスの出演経験はないようだが、おそらくそうした舞台にもいずれ立つことになるのではないかと思わされた。

三澤志保も、コレペティトールの豊富な体験を生かした、とてもよい伴奏だった。

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