先のブログで、NHKの朝のラジオ体操の最初に流れる「ラジオ体操の歌」の歌詞から受ける違和感について記した。
その歌詞を、もう一度記す。藤浦洸(ふじうら・こう)の作詞である。
新しい朝が来た 希望の朝だ
喜びに胸を開(ひら)け 大空あおげ
ラジオの声に 健(すこ)やかな胸を
この香る風に 開けよ
それ 一 二 三
この歌詞は、いろいろなところに載っているから、これで間違いないはずである。先のブログも、これに拠りつつ分析を加えた。ところが、放送を聴いていると、四行目がどうも違って聞こえる。
それ運ぶ風に 開けよ
のように聞こえるのである。
AM放送で、しかも我が家はコンクリート造りだから、電波状況が悪く、受信音があまり明瞭ではない。加齢とともに、聴覚もずいぶんと衰えている。だから、正しい歌詞を、誤って聴いているのかもしれない。子どもによる合唱だが、相当に古い音源を長年使用しているらしく、それもはっきり聞こえない理由かもしれない。そもそも、藤浦洸作詞とある歌詞を改編することなど、常識的にはありえない。それで、昨日、録音して聴いてみた。しかし、何度聴いても、「それ運ぶ風に 開けよ」としか聞こえない。
「それ運ぶ風に」だとすると、何を運ぶのかが、まったくわからない。先のブログで指摘した構文の問題以上に、これはもっとわからない。ずっと感じていた違和感の正体は、むしろこちらだったのかもしれない。
もっとも、これが私の聞き誤りであり、歌詞は正しいままであったとしても、どこか落ち着かない感じが残るのは確かだから、先のブログはそのままにしておく。