昨日(1月14日)も、テレビ朝日の「ナニコレ珍百景」を見ていた。冒頭で、「超予約困難な工場見学」と題して、八王子のエレベーターの押しボタンを製造する工場の紹介があった。それを見ているうちに、いつも感じているエレベーターの押しボタンへの不審を思い起こしたので、それについて書く。
その不審とは、開閉ボタンの表示のデザインについてである。そのボタンが「開」「閉」とか、「open」「close」とかならいいが、最近は二つの▲を横向きにして表示したものが多い。◀▶のように、平らな面同士を向き合わせているのが「開」、▶◀のように、尖っているところ同士を向き合わせているのが「閉」である。駅などの表示も、昨今は、訪日外国人への配慮だろうが、英語、中国語、韓国語でも表記されるようになった。中国語など、御丁寧にも、簡体字と繁体字の両様である。だから、「開」「閉」や「open」「close」では、外国人などには不親切と考えて、このような記号を採用しているのだろう。
だが、これが実にわかりにくい。とっさの場合、逆のボタンを押してしまうことがある。先日も、扉が閉まる直前、慌てて乗り込もうとする人がいるので、扉が閉まらないよう、ボタンを押したら、見事に違っていて、その人の目の前で閉まってしまい、実にばつの悪い思いをした。そうでなくとも、▲を横向きにしたボタンでは、それを押す際、どちらを意味するのかを、一瞬頭の中で確認する。「開」「閉」や「open」「close」なら、間を置くことなく、すぐに押せる。そこに、瞬間的に意味を認識しうる文字との違いがあるのだろう。
もっとも、記号は、本来、その意味がすぐに伝わることを目的に作られるから、文字との優劣をここで論じるのは、筋違いだろう。ならば、▲を横向きにしたボタンは、誤解を生じやすい、不出来な記号ということになる。一体、誰が考案したのか。
さらに付け加えるなら、そのボタン表示の意味をすぐに認識できないのは、私個人の資質(前にも書いたが、私は人の顔をなかなか覚えられない)によるのかもしれないから、不出来な記号かどうかは、他の人の意見を徴してみないと、何ともいえないところもある。さて、どうだろうか。