雑感

ユーハイムのミートパイ

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最近のお気に入りは、成城のKiriy's Freshのラスクである。いままで食べたどのラスクよりも美味である。ガトーフェスタ ハラダのラスクは、デパートなどでは、しばしば行列が出来るほど人気があるが、それよりずっとおいしい。五種類のラスクが二枚ずつ、全部で十枚ほどが、お洒落な袋に入っている。

Kiriy's Freshは、町の小さなパン屋さんなのだが、先日、ラスクを買いに行ったら、焼きたてのミートパイに、偶々(たまたま)出逢った。これも、なかなかの味である。中身も結構だが、パイ皮も程よい具合に焼けていて、うまそうな香りが実にいい。

それを食べていたら、突然、ユーハイムのミートパイを思い出した。初めて食べたのは、数十年前?!のことになる。
当時は、渋谷の東急文化会館、いまやヒカリエに建て替えられ、跡形もなくなってしまった、その東急文化会館の片隅の喫茶室で買うことができた。牛挽肉に玉葱と卵がうまく調和した、まことに結構な味だった。

その後、いくつかの店舗でも、販売し始めた。千駄ヶ谷駅前の津田英語会のビルにあった喫茶室(ビルの中か外かは忘れた。地下だったように思う)でも売っていたから、国立能楽堂の観能の折に立ち寄り、家の土産にすることもあった。

その喫茶室もいつの間にか消えてしまい、ミートパイを販売する店舗も、まるで見かけなくなった。
一時、千葉駅構内の、いわゆるエキナカの店舗でも売っていたが、これも姿を消してしまった。
だから、ずいぶんしばらく、ユーハイムのミートパイを食べていない。Kiriy's Freshのミートパイを食べているうちに連想が及んだのは、それゆえだろう。
調べてみると、東京駅のグランスタでは、まだ買えるらしい。だから、近々行ってみようと思う。

英国の本格的なミートパイを売っている店もある。二松学舎に御厄介になっていた当時、市ヶ谷駅からの通勤路で、偶然発見した店である。英国人の経営するSWAN & LIONである。
ミートパイを始め、さまざまなBritish Pieが、並んでいる。ここのは、パイ皮もすばらしいが、中味の存在感がすごい。ずっしりとしている。ただし、それなりのお値段ではある。
林望先生に倣(なら)えば、これも「イギリスはおいしい」の口といえようか。
買って帰ったのは、まだ数回ほどだが、退職したので、市ヶ谷に行く機会がなくなってしまった。店が閉まっていることも多いので、わざわざ行くのも躊躇(ためら)われる。だが、折を見て訪ねてみたい店ではある。

ユーハイムついでに、一言。ユーハイムは、バウムクーヘンで知られており、それでバウムクーヘンをドイツ菓子の代表だと信じ込んでいた。それが大間違いであることを、ドイツに行って知った。
私が一年ほど滞在したのは、ルール地方のボッフム(Bochum、現地の発音はボーフムとは聞こえない)という小都市だったが、そこでは、バウムクーヘンなど、まったく見かけなかった。ルール大学にお世話になったのだが、東アジア学部のM教授に聞くと、初めて食べたのは、何と日本でだという。M教授は、もともとケルン(Koeln)育ちである。ドイツの菓子には違いないが、地域的な限定がはっきりあるから、南ドイツの菓子とすべきなのだろう。

以上、食い意地の張った話ばかりで、恐縮である。

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