目薬は誰もが点(さ)すものだろうが、昔からうまくできたためしがない。ふつうに身を起こした姿勢では、薬液は目の中に入らず、周りにみなこぼれてしまう。仕方なく、寝た姿勢になって点すのだが、それでも右目だけはうまくいかない。容器を右手で持つためかもしれない。目玉の真上に持って来たつもりでも、どこか微妙にずれてしまっている。子どもの時からずっとそうである。もっとも、薬液がこぼれても、必要量は注入できているらしいので、それで何とか済ませている。
採血の際にも、似たことがある。採血の後、止血のため、注射針の跡を脱脂綿などでしばらく押さえる。その後で、小さなパッドつきの絆創膏を(injection padというらしい)、針跡に合わせて貼る。パッドは5ミリ角くらいだろうか。ところが、これがうまく貼れない。パッドの位置が見事にずれてしまう。もっとも、毎回ではない。
これは、目薬をうまく点せないことと、どこかで結びつくのだろうか。
以前、このブログで、顔を忘れること、絵がうまく描けないこと、字が下手なことを、脳の認識能力の問題として述べたことがある(「顔を忘れる」)。それがもし空間の認識能力にも関係するなら、右の二つの事例も、それに当てはまるのかもしれない。
目薬の点し方など、いまさらどう練習してもだめだろうと諦めている。