コロナ禍で、外に出ることもほとんどなくなり、家にばかりいる。
昼には、麺類を食べることが多い。蕎麦、うどん、スパゲッティを、その日の気分にもよるが、ほぼ順繰りに食べている。
スパゲッティには、市販のソースを使うことが多い。家にはいろいろ買い置いてある。
これも、ドイツに滞在していた頃の昔話になるが、そこでもスパゲッティはよく食べた。スーパーに行くと、マギーやらクノールやらの、ソースの素がたくさんならんでいた。
スパゲッティ・ソースだけでなく、種類が実に多い。
初夏のシュパーゲル(Spargel、白アスパラ、日本のとは違って、太くておいしい)の時期になると、オランデーズ・ソースの素がある。秋のフィファリンゲ(Pfifferlinge、きわめておいしいキノコ)の時期には、やはり専用のソースの素がならぶ。どれも袋入りの粉末状である。
私がもっとも気に入っていたスパゲッティ・ソースは、マギーのボロネーゼである。挽肉とピーマンを刻んだものを炒め、ソースの素を入れて作る。
香辛料の配合によるのだと思うが、この味のものは日本にはない。市販のボロネーゼ・ソースなどとは、まったく味が違う。
マギーのソースの素が入手できないかと、日本の高級スーパーをあれこれ探したが、どこにもない。麻布のナショナル・スーパーにもない。ここは、外国人の利用が多く、商品名が英語で書いてあるという、実に不思議なスーパーである(いまもそうなのかは不明)。スパゲッティ・ソースだけでなく、こうしたソースの素をまったく置いていない。理由はわからない。
以前は、ヨーロッパから来日する知人に買って来てもらうこともあった。コロナ禍の現状では、それも難しい。
あの味がひどく恋しいが、どこかで手に入らないものか。