お菓子のドーナツである。ドーナツなどめったに食べないが、それでも昔、好んで食べていたドーナツがあった。紀ノ国屋のアメリカン・プレーン・ドーナツである。
透明な袋に８個ほど入って売られていた。袋の表には、アメリカ国旗を思わせる図柄が印刷されていたような記憶がある。
ダンキン・ドーナツとかミスター・ドーナツとか、種類は多くあっても、こういうところのドーナツは、およそ美味しいと思って食べたことはないのだが、紀ノ国屋のだけは、見かけると必ず買っていたから、よほど気に入っていたのだと思う。
それが突然、店頭から姿を消してしまった。理由はわからない。売れ行きが悪かったとは思えないから、何か特別の事情があるのだろうと思う。もう一昔も前のことである。
ところが、最近、豆乳ドーナツという名の商品が現れた。その格好が、消えたプレーン・ドーナツに似ているので、さっそく買ってみた。
食べてみると、近い味といえなくもない。ただ、プレーン・ドーナツの方が、もっとどっしりとした食感で、シナモンなどの香りもつよかったように思う。
プレーン・ドーナツの代用品と割り切れば、我慢できそうではある。
プレーン・ドーナツの復活は、もう望めないのだろうか。