研究

『万葉樵話』・訂正

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昨年末に刊行した小著『万葉樵話』(筑摩書房)の二十四節気の説明のところ(172頁)に、勘違いによる誤りがあった。そもそもは、20年以上も昔に書いた「古今集と暦」(學燈社『国文学』、2000年8月号)に誤りがあり、今回、それをそのまま安易に流用したことが、間違い生じさせた理由である。売れる本なら増刷の際に訂正ができるのだが、それもなかなか難しく、ここに掲げてお詫び申し上げる次第である。お恥ずかしいかぎりである。

(誤)
ところが、こうした工夫をしても、別の問題がまた生じてくる。月と季節の関係がうまく対応しなくなるからである。閏月が入ると、その年は十三ヶ月になる。閏月がどこに入るかにもよるが、その翌年の季節は前年に比べて一月ほど遅れることになる。この遅れは、農耕生活にとって大きな支障をもたらす。前年と月は同じでも、気候条件は大きく違ってしまうからである。そこで、つねに季節と一致する暦が求められるようになった。それが二十四節気である。

(訂正)
ところが、こうした工夫をしても、太陰暦では月と季節の関係はうまく対応しない。閏月をどこに入れるかにもよるが、前年と月は同じでも、その翌年の季節は前年よりも少しずつ遅れてしまうから、その遅れは農耕生活に大きな支障をもたらすことになる。遅れが大きくなれば、気候条件もそれに応じて違ってしまうからである。そのため、つねに季節と一致する暦が求められるようになった。そこに用いられたのが二十四節気である。

本当は、二十四節気の説明としては不十分なところがあるのだが、簡略化してある。それは御容赦いただきたい。

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